この方の木製機械すごいよ ― 2011/02/17

とにかく「木の歯車工房」をご覧あれ。
こちら。
平歯車やウォームギア風の歯車、クローラ、ユニバーサルジョイント、アーム、ピンなどなど‥全部木製。
それも全部手作り。
ギアをひとつひとつ木の板から切り出すんですよ!
これを製作された方とは、山梨県立科学館の「宇宙エレベーター教室」の際にお会いした。
上の写真の機械をさわらせてもらったが、本当に「やさしい」。
ぬくもりのある触感、音、動作。
金属製の機械に比べれば、レゴブロックの機械はすごくやさしいが、それよりもさらに何倍もやさしい。子どもはもちろん、大人も思わず微笑みがこぼれる質感だ。
このとき、別の製作過程の作品も見せていただいた。
実は、この新しい作品を作るにあたって、レゴブロックでプロトタイプを作られたとのこと。
それも見せていただいた。
レゴブロックでカッチャンカッチャン動いているプロトタイプが、そのまま二回り大きな木製機械になってガッシャンガッシャン動いている。
不思議な光景だ。おもしろい。
もちろん、レゴブロックのパーツをそのまま木製に置きかえているわけではない。レゴブロックの冗長な部分を取り除き、一体化できる部分は一体化し、よりシンプルに、壊れにくくなっている。
すばらしい。
みなさんにも機会があればぜひ触ってもらいたい。
この方とは「子どもたちに伝えたいもの」に関して共感する部分も多く、短い時間だったが有意義なお話をさせていただいた。感謝。
教育用MINDSTORMSが「V2」に ― 2011/02/19

教育用レゴマインドストーム「基本セット」「拡張セット」が、さりげなくマイナーバージョンアップしている。
株式会社アフレルのサイトで、変更点が紹介されているので確認しておこう。
◆基本セットの変更点は、こちら。
パーツ的には、L字型のコネクトパーツが追加されているぐらい。
バッテリーの変更(AC接続→DC接続)が最大の変更点。容量もアップしているらしい。
まだ手もとに来ていないので未確認だが、端子はパワーファンクションのリチウムポリマー充電池と同じかな。
製品番号は、9797→9797V95と微妙な変化になっているようだ。
◆拡張セットの変更点は、こちら。
かなりパーツが追加になっている。個人的には「使いやすい」パーツ − たとえばT字型リフトアームやストッパ付き4ポッチシャフトなど − が増えているので、大歓迎である。
一方で、チェーンやロケット&発射装置などは、削除されている。(ロケットを使ったトビー君のアタッチメントのひとつはV2では作れなくなったというわけだ)
ユニバーサルジョイントは、4ポッチ長→新型の3ポッチ長に。でもなぜか、ディファレンシャルギアは、新型3ポッチ幅のものは採用されず、4ポッチ幅のまま。
製品番号は、9648→9695と変更になっているようだ。
WROなどセットしばりがある大会だと、拡張セットの変更はロボット製作に大きな影響があるかもしれない。今後のルールの変更を見逃さないように。
最後に、バージョンアップに伴う仕様変更を丁寧にレポートしてくれたアフレルさんに感謝しよう。みんなもね。(^_^)
愛すべき着物文化と職人の技 ― 2011/02/21

昨日は着物を着て、これを見に行ってきた。
その昔、神田川、妙正寺川流域(今の駅で言うと下落合、中井付近)には300軒以上の染色関連会社や職人が集まり、京都、金沢に並ぶ産地として知られていたとのこと。
今も、数は少ないがいくつもの工房が残っている。
このような染物や織物の技術、仕立ての技術は、江戸時代にイキナリ生まれたものではない。奈良時代、平安時代から、時代とともに変化しながら、受け継がれてきたものである。
洋服の台頭で、一気に市場規模は小さくなってしまったが、着物に関連する技術はこれからも残って欲しいし、残すべきだと考えている。
それも「守る」という形ではなく、「変化する」という形で。
最近は若い女性を中心に、着物にブーツを合わせたり、着物の中にTシャツを着たりといった和洋折衷のアレンジを楽しむ人々が増えてきた。こういった人が増えるにしたがって、よりセンスの良いアレンジを目にすることも多くなってきた。昨日も「あっカワイイ!」という着こなしの子が何人もいた。
とても良いことだと思う。どんどん「今風」の着こなしを拡げて、着物を日本人の日常風景の一部にして欲しいと思う。
自身も、どんどん着物を着て、着物を盛り上げるイベントに参加して、できれば、今風のアレンジも勉強していこうと思う。
パーツ考察 − 37【LA】 ― 2011/02/23
リニアアクチュエータ(LA)。
◆全長とストローク
大型:縮小時11ポッチ。伸長時16ポッチ。ストローク5ポッチ分。
小型:縮小時7ポッチ。伸長時10ポッチ。ストローク3ポッチ分。
◆ピッチ
大型:5ポッチのストロークの端から端まで移行するのに約26.7回転。つまり、約5.3回転で1ポッチ分の変化となる。
小型:3ポッチのストロークの端から端まで移行するのに約19.5回転。つまり、約6.5回転で1ポッチ分の変化となる。
ほんの少しだけ、小型の方が微調整はしやすいようだ。
◆負荷耐力
明らかに小型の方には耐力がない。
ちょっと力を入れてひっぱたり、押し込んだりすると、「カリカリカリ」という軽い音とともに自由に動いてしまう。クレーンの根元などで使うには、かなり不安だ。ひょっとすると、端まで行って回し続けても壊れないような柔らかい設計になっているのかもしれない。クラッチギアを使わなくても済むように。もちろん未確認。
比して、大型の方はしっかりしている。
ただ、端まで行って回し続けるとイヤな音とともに空回りするので、状況によりクラッチギアが必要となるだろう。
新しい小型リニアアクチュエータは、BrickLinkによると現時点で8069(こちら)にしか入っていないようだ。1セットに4つも入っているのがうれしい。
ちなみに、私はクリックブリックで購入した。
パーツ考察 − 38【電源アダプタ】 ― 2011/02/25
先日、教育用のMINDSTORMS NXTがバージョンアップして、充電バッテリーと電源アダプタが変更になったと書いた。(こちら)
これが手もとに届いたので、すでに入手済みのパワーファンクションのリチウムポリマー充電池用の電源アダプタと比べてみた。
右がパワーファンクション用の電源アダプタ。
左がMINDSTORMS用の電源アダプタ。
外観形状はほぼ同一。出力はいずれも「DC10V 700mA」で同じ。
だが、入力が異なる。
パワーファンクション用電源アダプタは、「AC120V」。
MINDSTORMS用電源アダプタは「AC100〜240V」。
つまり、パワーファンクション用電源アダプタは、国内(というかアメリカ)でしか使えないが、MINDSTORMS用電源アダプタは、世界中どこの国でも使えるということだ。(もちろん端子形状のコンバートは必要だが)
FLLやWROで世界大会に出場するチームにとっては、とてもありがたい進化だと思う。
ケーブル、プラグともに、パワーファンクション用電源アダプタの方が、太くてゴツい。
で。パワーファンクション用電源アダプタのプラグを、MINDSTORMS NXTに差そうと思ったら、こんな感じ。
入らない‥‥‥。(; _ ;)
プラグが太すぎて入らないのであった。
このあと、カッターナイフでプラグを被覆を少し削って、入るように細くした。
とりあえず、めでたし。
パーツ考察 − 39【ヒモ】 ― 2011/02/27
今回は、「ヒモ」(あるいは「糸」「ロープ」「ワイア」)を取り上げる。
レゴ純正パーツではない。
私は「ヒモ」は、輪ゴム同様の消耗品だと思っている。だからそれほど厳密に「純正」にこだわらなくてもいいパーツだと考えている。(あくまで個人的にね)
純正のヒモをあまり切ったり結んだりしたくない − というのもあるし。
私自身、作品の中であまりヒモを使わないが、今回仕事でどうしても使う必要があり、とりあえず4種類のヒモを入手して使ってみた。その使用感レポート。
◆木綿糸
上の写真は100円ショップで「レース編み用エジプト綿糸」として売っているもの。
そこそこの強度がある。安い(105円)のも魅力だ。
ただ、リフトアームの穴などでこすれると、表面がだんだん毛羽立ってくる。繰り返すと、少しずつ黒いホコリ(細かい毛)が落ち、ヒモそのものが細くなってくる。
動かさないものならOKだが、モーターなどを使ってゴシゴシするのには向いていない。
◆テトロンミシン糸
テイジンのテトロン(R)のミシン糸。
ポリエステル100%。太さは5番(#5:数字が小さいほど太い)。
感覚的にはちょっと細く感じるが、このタイプのミシン糸で、これ以上太い糸は見つからなかった。逆に言えば、あまり目立たないようにヒモを使いたいときにおすすめだ。
かなり強い。また、こすれても毛羽がほとんど立たない。
ただし、何本かの細い糸を撚って作られているので、逆方向にねじるとほぐれてくる。当然張力がかかると、ほぐれる方向に回転したがるので、そういった用途で使う場合には注意が必要だ。
なお、この糸は厩橋(うまやばし:蔵前駅そば)にある「町田絲店」で購入した。(こちら)
このお店。ものづくりが好きな人なら一度は訪れてほしい店。多種多様な素材、太さ、色の糸やヒモ、リボン、グッズ類が所狭しと並べられている。見ているだけでワクワクする。
ちなみに上の糸は、1000mで1200円ぐらいだった。
◆ナイロン芯入紐
正確にはわからないが、ポリエステルで編んだヒモの中にナイロンの芯が通してある感じ。
太さは 1.0mm。写真のロールで300m。
芯があるため少し堅いが、とにかく強靭。
編んであるので、ミシン糸のようにほぐれることはない。
力のかかるところに良さげだ。
また、1mmの太さがあるとかなり存在感があるので、帆船のロープのように「ヒモ」そのものを目立たせたい場合にもイイだろう。
逆にドラムに巻き取るような機構で使う場合は、太すぎ、堅すぎの感も出てくる。
前述の町田絲店で1800円ぐらいだった。
購入しなかったが。0.8mmのものもあったので、そちらでもいいかもしれない。
◆アジアンコード
ポリエステル100%の手芸用の糸。
編んである。太さは「極細」(0.8mmぐらい)。これで50m。
強靭。手触りもいい。
店頭でさわった「ナイロン芯入紐」の0.8mmとよく似ているが、こちらの方が柔らかい感じがする。(かなり微妙だけど‥)
アマゾンで1500円ぐらい。(こちら:黒色は2/27時点で品切中)
ほどよい強さ、太さ、柔らかさを持っているので、今回の試した4種類のヒモの中で、一番オールマイティかな。
最初に買うならこのヒモをおすすめする。
なお、最初の「木綿糸」以外は、すべて化学合成素材である。
だから、熱で溶ける。
木綿糸の場合、切断した端は、ほぐれてこないように玉結びしておく必要がある。
一方、化学合成素材のヒモの場合は、端をライターで軽く炙るだけでOK。溶けてくっつくので、ほぐれてくることはない。
輪っかにしたところの結び目なども、軽く炙れば緩まなくなる。
実は、これって結構便利。
ただし、子どもだけでライターを使った末端処理は絶対にしないこと!お願いね。
しかし、1000mとか300mとか50mとか‥。
しばらくヒモには困らないな‥‥。(^_^;)
最近のコメント