パーツ考察 − 252010/07/16



テクニックシリーズには、「パーツ固有の色」を持つパーツが多くある。
たとえば、長さが偶数のシャフトは黒(2だけは赤)、奇数のシャフトは灰色 − といったように。もちろん、白いシャフトや緑のシャフトもあるが、あくまで「特殊」なものである。

さて、その「パーツ固有の色」も時代とともに変化する。
写真は、同じパーツで新旧の色を2つずつ並べたもの。左が古い色、右が新しい色だ。

私は、展示作品や本に掲載する作品を作る際、できるかぎり「今、一般的に一番認知されている色」のパーツを使うようにしている。そうすれば、見学者や読者が作品や写真を見たとき「ああ、これはこのパーツだな」と判断しやすくなるからである。(どうしてもデザイン的に別の色を使いたい場合は、このかぎりではない)

でも、その切り替えのタイミングが難しい。
どうしても新旧の色が混在する時期があるし、「本当にこの色に移行するのだろうか?」という疑問が残る場合もあるし、手持ちの数が切り替えるには心許ない場合もある。

上の写真でピンクドットの付いた方が、現在、私が使っているパーツだ。
つい1週間ほど前、左端の「3連しっかりコネクタ」を黒から青に変えた。
中央のパーツと、その右のパーツはまだ旧色を使っている。
これらをいつ切り替えることになるのか、先は読めない。

パーツ考察 − 242010/06/30



前回の流れから、今回は「大きいショックアブソーバー」。

ソフトスプリングの2つも微妙に強さが異なる。

パーツ考察 − 23」のショックアブソーバーは、全長6.5ポッチ、ストローク1ポッチ。
対して、このショックアブソーバーは、全長9ポッチ、ストローク2ポッチ。
ストロークが倍。これが便利。


さらに、このショックアブソーバーの根元には、上の写真のように2ヶ所の十字穴がある。
これを利用すれば、バイクのフロントフォークなど、伸縮方向を限定した構造物を作ることができる。

前回のショックアブソーバーと今回のショックアブソーバー、適材適所でうまく使い分けるのがポイントだな。

パーツ考察 − 232010/06/28



スプリングものつながりで、今日はこれ。
一番スタンダードな、かなり昔からあるショックアブソーバー。
最近のセットでもよく使われている。

バネの巻き数、巻き方によって、縮めるために必要な力が変わる。
上の写真では、左の方ほど柔らかく、右の方ほど堅い。

BrickLinkでは、ソフトスプリングノーマルスプリングハードスプリングと3種類に区別されている。(左の2つがソフトに分類されているようだ)
BrickLinkによると、最近のセットに入っているのは「ソフトスプリング」タイプ。

使用目的に応じて強さを選べる − というのは便利で良いこと。
ただし、車のサスペンションなどで使う場合は、前後左右で特性を合わせないと、車体が傾くことになるので注意が必要だ。

個人的には、弾性機構を作る際、個体差が激しく経年変化や破断の心配がある輪ゴムを用いるより、このショックアブソーバーを用いる方が好きである。

今後、このショックアブソーバーのような「縮んで戻る」タイプとは別に、「引いて戻る」タイプのスプリングも出てきて欲しいと思っている。

パーツ考察 − 222010/06/25



うちのパーツボックス内で、前回のパーツのとなりにかたづけられているこのパーツ
バスケットボールのNBAシリーズのミニフィグの下半身。


このように、足の付け根にスプリングが仕込まれている。
足元を固定すれば、上半身をビヨーンと前後に倒しても、バネで正立の位置に戻る。

上側はミニフィグの上半身を差しこむ特殊な形状になっているため、プレートなどは固定できないが、普通のブロックなら差しこめる。


作例。
これを横向きにして2つ向き合わせれば、西部劇のバーの入り口にあるスウィングドアとかになる。

正直言って、かなり特殊なニーズがないかぎり使わないパーツ。
パーツマニアでもなければ、食指が動くパーツではないと思う。(^_^)

パーツ考察 − 212010/06/18



久しぶりのパーツ考察。
今日はこれ。

アイスホッケーNHLシリーズの、スティックの動作に使われていたセンターリターンのスプリング。


上のように、軸が左右90度まで回転し、バネの力で元の位置まで戻る。
センター位置での遊びが全くなく、キッチリと中央に戻る。

この特徴を活かして、このように使っている。(下から2枚目の写真に写っている)

持っておいて絶対に損のないパーツだが、2003年に出たきり。
BrickLinkでも、ほとんど流通がない状態である。

このパーツを含むセットを、そんなに昔ではない以前、どこかのクリックブリックで見かけたことがある。こんなにレアなパーツになっているとは思いもよらず、購入しなかったのが悔やまれる。
見つけたら、即、買いの方向で。

パーツ考察 − 202010/05/28



私の好きなパーツのひとつ。クラッチギア。これ。
あるトルク以上の力がかかると、中央のシャフト穴と回りのギアが空回りするギア。

左は「2.5・5.0 Ncm(ニュートンセンチメートル)」という刻印のあるもの。右はないもの。刻印のある方が古いはず。BrickLinkでは、区別されていない。


上の例は、Pneumatic(ニューマチック)のポンプ。この先にエアータンクがつながる。
エアータンクに一定以上の空気が圧縮されると、クラッチギアが空回りしはじめ、機器の過負荷や破損を未然に防ぐ。
これは、機器の構造上、必要不可欠な使用例である。


上の例は、8足歩行マシン。子どもなどが「むんず」とマシンを持ち上げたり、押さえつけたりして、強制的に足の動きが止められても、分解しないようにクラッチギアを使っている。
こちらはフェイルセーフとしての使用例だ。

動力伝達系の中で、どの位置このクラッチギアを挿入するかによって「空回りがはじまるトルク」が変わる。ある程度、試行錯誤する必要がある。

なお、「もっと強いトルクまで、空回りをガマンしてほしい」ときは、下の写真の右の例のように、クラッチギアをタンデムで使うのもいい。


パーツ考察 − 192010/05/20



十字型のギア(ノブホイール)。これ。
BrickLinkでは「Technic Knob Wheel」という名称で、ギアのカテゴリには入っていない。


私は、上の写真のような感じで、軸を90度方向曲げるときによく使う。


上の写真のように、ギアを使っても同じ動力伝達ができる。
しかし、十字型ギアを使う大きなメリットが2つある。

【逃げる方向に力がかからない】
通常のギアやベベルギアを使う場合、負荷が大きくなったとき、どうしても逃げる方向(上の写真でいうと左側のギアは下方向、右のギアは右方向)へ力が働く。それはフレームの分解や緩み、ギアの空回りにつながる。
十字型ギアの場合は、大きな負荷がかかってもほとんど逃げ方向への力はかからない。つまり壊れにくいということである。

【位相を合わせやすい】
二足歩行や四足歩行などのマシンを作るとき、必ず「位相」というものを意識し、合わせる必要が出てくる。たとえば「こっちの足が地面に着いているとき、あっちの足が浮いている」というような相対的な位相である。
通常のギアを使う場合、歯数分の位相(16歯なら16種類の位相)を得ることができる。細かい位相合わせができる反面、持ち運びやギアの空回りなどで位相がズレてしまった場合、16種類の位相から合わせ直さなければならない。これが、結構面倒で気を遣う作業である。
その点、十字型ギアの場合、位相のバリエーションは4種類。細かい位相の調整は全くできないが、ズレてしまったとき、ほとんど頭を使わずに簡単に直すことができる。

こういったメリット(あるいはデメリット)を理解した上で、うまく付き合えば実に便利なギアである。

パーツ考察 − 182010/05/17



今回は、電源の変換ケーブル。
上の写真は、これ。
BrickLinkでの名称は、「Power Functions Extension Wire」=「延長ケーブル」。


裏側。
明るい灰色のコネクタは、旧テクニックやMINDSTORMS RCXでおなじみの「2×2ポッチの電源コネクタ」が接続できる形状になっている。
つまり、このケーブルを利用すれば、パワーファンクションのバッテリーボックスで、旧テクニックのモーター類を動かしたり、逆に旧テクニックのバッテリーボックスやMINDSTORMS RCXで、パワーファンクションのモーター類を動かすことができる。


ちなみに、このケーブルには、上の写真のような長いタイプもある。



さて、教育用MINDSTORMS NXTには、下のような変換ケーブルが付属している。


このケーブルは、「2×2ポッチの電源コネクタ」とMINDSTORMS NXTのコネクタを変換するケーブル。


前述のケーブルとこのケーブルを、上の写真のように組み合わせる。
すると、MINDSTORMS NXTでパワーファンクションのモーター類を動かしたり、パワーファンクションのバッテリーボックスで、NXTのモーター類を動かしたりすることができる。

NXTのモーターは大きすぎる、遅すぎる。かといって、「ポッチで固定」「偶数ポッチ」の旧テクニックのモーターは使いたくない。
そんな貴方。
上のケーブルを使えば、MINDSTORMS NXTでパワーファンクションのコンパクトなモーターが使い放題。いかがでしょう。
ただし、ケーブルだけで異様に場所を取るので、スタイリッシュに仕上げるのは厳しいか。

パーツ考察 − 172010/05/15



今日のパーツはこれ


本来は、上の写真のようにハンドルのツマミ(持ってくるくる回すところ)である。

ただ、1ポッチ以下の高さ調整のための「スペーサー」として、とても役立つパーツでもある。


ぜひ、上の写真をクリックして拡大して見て欲しい。
左から順番に16歯ギアの位置が上がっているのが分かるはずだ。
ベベルギアを組み合わせる際など、微妙な高さ調整が必要なときに重宝する。

残念ながら、最近のセットではあまり見かけない。
入手するならBrickLinkかな。(私も手持ちが4個ぐらいで心許なかったので、BrickLinkでまとめて入手した)

パーツ考察 − 162010/05/13




BrickLinkでも「Technic Pin」のカテゴリに含まれているし、外観もどう見てもテクニック系のパーツである。
どう使えばこのパーツを活かせるのか、このパーツならではの使い方があるのではないか − ここのところずっと考えてる。でも全然出ない。

オリジナルのセットでは、下の写真のように使っている。
この状態で、後ろから指で弾くと、ミサイルのようにピョンと飛び出す。
ギミックとしては決して驚く部類ではない。(^_^;)


う〜ん、悩ましい。
何か「これは!」という使い方を発見した方はご一報を。