日本のトンボ・米国のトンボ2010/09/02



上は、MINDSTORMS NXT オレンジブックの版下の写真。
写真をクリックして拡大すると、紙面の回りに「L字」や「十字に丸」といった形のマークが付いているのがわかるはず。これを印刷業界用語で「トンボ」と言う。
印刷の位置決めや、裁断の位置決めをするためのマークである。
十字に丸のマークを「センタートンボ」と呼び、もともと、これがトンボみたいな形だからトンボという名前になった。(らしい)

特にカラー印刷の場合、各色の版の位置をピッタリと合わせないと、色ズレしたみっともない仕上がりになるので、このトンボはとても重要な役割を担う。


こちらは、まもなく発売の「LEGO Technic Idea Book」の版下。
欧米流のトンボは、ずいぶんシンプルである。
私など、四半世紀も「日本」の印刷物と付き合ってきた人間から見ると、なんとなく違和感がある。
PageMakerやIllustratorなどの設定項目で「西洋トンボ」として選択可能だったので、その存在と形は知っていたが、いざ自分の著作物で目の当たりにすると、チト心細くなる。

しかし、「西洋トンボ」ってどこにもトンボ飛んでないじゃん....。

コメント

_ じゃに ― 2010年09月02日 15:26

トンボ…なんだかなつかしいです。昔、版下作成ソフトの開発やってたので。
それにしても、この違いを見ても日本人は緻密なんだなー
(やっぱり彼らは大雑把なんだなー)と、思ってしまいますね(^^;)

_ 五十川芳仁 ― 2010年09月02日 16:21

●じゃにさん
おぉ、そんなソフトの開発をしてらしたんですかぁ。じゃにさんは引出しにいっぱい面白そうなものが詰まってますね。(^_^)
まぁ、断ちトンボなんて、今どき内外2本ある必要性はほとんどないですからね。彼らの方が合理的だと思います。w

_ けん・たっきい ― 2010年09月02日 19:39

同人漫画では西洋トンボに近いものを手書きで入れてた。

_ 五十川芳仁 ― 2010年09月03日 02:28

●けん・たっきいさん
同人漫画誌に限らず、昔はみんな手書きでしたよね〜。
烏口もロットリングも長らく押し入れの奥の方にしまったままだ。w
しかし、けん・たっきいさん、イラストうまいなぁ..と思っていましたが、元は漫画師だったんですね。

_ OSAMU ― 2010年09月04日 11:54

日本は蜻蛉の種類が多い国みたいですね。
ところで、この「欧米流のトンボ」もdragonflyと言うのでしょうか?

_ 五十川芳仁 ― 2010年09月05日 05:59

●OSAMUさん
トンボは前にしか進めないということで、和風的に「勝ち虫」と呼びます。このため、トンボ模様は武将などが好んだそうです。

>「欧米流のトンボ」もdragonflyと言うのでしょうか?
言いません。w
レジスターマーク、もしくはレジストレーションマークと呼びます。
ただ、その名前を機能名にしちゃうと、日本の印刷業界の人が見つけられなくなっちゃうので、「トンボ」の中の「西洋トンボ」になっているのでしょう。

_ JUN ― 2010年09月12日 21:30

色を端までつけ、断裁した時に、支障のない三ミリが実寸より外にでるようにするという作業が内外トンボがあると便利だと教わりました。

次の工程に進んだ時の相手に対する日本流の気配りなのでしょうか?

_ 五十川芳仁 ― 2010年09月13日 05:07

●JUNさん
コメントありがとうございます。

>次の工程に進んだ時の相手に対する日本流の気配りなのでしょうか?
そうなのかも知れませんね。ただ、その「3mm」が今でも妥当な数字なのかどうかは疑問ですね。印刷機の精度によっては1mmで十分な場合もあるでしょうし。その場合は、2mm分のインクが無駄になりますね。ww(あくまで素人の想像ですが‥)

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